さくらももこ先生が手掛けた最後のシナリオが昨年10月1日放送の「ちびまる子ちゃん×桑田佳祐~100万年の幸せ!!スペシャル~」だったことがちびまる子ちゃんの現場監督を務める高木淳氏によって語られました。
さくら先生は生前、作詞家としても活動されていましたが、かかわった作曲家が豪華だったことは「ちびまる子ちゃん」のOP/EDでもよく知られています。
そのED曲の1本にサザンオールスターズの桑田佳祐さんが作曲を担当した「100万年の幸せ!!」がありますが、どんないきさつからこの曲はできたのでしょうか。
そして、さくら先生とサザンオールスターズの桑田佳祐さんの間にはどんな交流があったのでしょうか?
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今週はどどーんと一時間スペシャル!花輪君の鎌倉の別荘にみんなで行く事になったんだけど、そこで素敵な出会いがあるんだ。他にも盛りだくさんでお届けするよ。
『ちびまる子ちゃん×桑田佳祐~100万年の幸せ!! スペシャル~』
今日18時から!お楽しみにね。#ちびまる子ちゃん pic.twitter.com/nT6YmflvZA— ちびまる子ちゃん【公式】 (@tweet_maruko) 2017年9月30日
「ちびまる子ちゃん」のED曲「100万年の幸せ!!」はこうして作られた。
もともと桑田さんのファンだったさくら先生。
楽曲制作の依頼は1通の手紙だったそうです。
桑田佳祐さんはその時の状況を「SONGSスペシャル『桑田佳祐の歌ってガッテン!』」(NHK)で語っていました。
「そんな文量の多い手紙ではなかったですけども、今の世の中とかね、それから子供たちの将来の事とか、いろんな事が書いてありまして」
「(さくらさんから)つたない詞を作ったんですけども、曲を作ってくれませんか、ずうずうしくてごめんなさいって書いてあったんですよ」
(https://www.j-cast.com/2018/08/28337230.html?p=allより引用)
普通は1通の手紙で1曲出来てしまうなんてことはないと思うのですが、そこがこのお二人のすごいところですよね。
桑田さんは手紙を受け取った翌日までには作曲に取りかかったそうです。
「手紙もらって字を見た瞬間にピンとくるというか、またこれも縁じゃないかと思うんですけど、ありがたいなと思ったんですね」
(https://www.j-cast.com/2018/08/28337230.html?p=allより引用)
桑田さんはさくら先生からもらった手紙の字を見て「ピンとくるもの」があったそうですが、どんなところに「ピン」ときたのでしょうね。
桑田さんはたくさんの曲を書いておられますが、誰かの詞に曲をつけるのはさくら先生が初めてだったそうです。
そして、桑田さんが受け取った詞はメロディを作りやすいようにするための配慮か、1行の字数が全て揃ってとか。
気配りで有名なさくら先生らしいお話ですね。
桑田さんが「ピン」ときたのはなぜ?
ところで、桑田さんがさくら先生から届いた手紙の字を見た時に「ピン」きた理由とは何なのでしょうか?
調べてみたのですが、それらしい内容が見当たらなかったので、予想してみることにしました。
おそらく桑田さんはさくら先生の「ピュアさ」にピンとくるものがあったのではないでしょうか。
どんな「ピュアさ」かというと、桑田さんに対する「ピュアな想い」。
それは「ちびまる子ちゃん×桑田佳祐~100万年の幸せ!!スペシャル~」の裏話から垣間見ることができます。
「ちびまる子ちゃん×桑田佳祐~100万年の幸せ!!スペシャル~」は2本構成のプログラムで、そのうちの「茅ヶ崎の約束」はシナリオをさくら先生自らが執筆しています。
現場監督を務める高木淳氏によると
さくらさんが特にこだわったシーンを「文化祭のコンサートシーンがあるんですけど、これに関しては力が入っている。まる子が桑田佳祐さんの歌に対して感動して、素晴らしいというあたりは、自らの思いが多分入っていると思います」
(https://www.hochi.co.jp/entertainment/20180901-OHT1T50080.htmlより引用)
また、
「基本的には現場にほとんどおっしゃらない先生だったんですけど、コンサートのシーンでは、ここのまる子はもっと応援して欲しい!とか」
(https://www.hochi.co.jp/entertainment/20180901-OHT1T50080.htmlより引用)
とリクエストしているそうです。
これは視聴者に対してというよりは桑田さんに対して伝えたいという、さくら先生の桑田さんに対するリスペクトなどをひっくるめた「想い」の表れではないでしょうか。
そんな思いが桑田さんに届けられた一通の手紙の中にも溢れていたのではないかと勝手に予想しています。
まとめ
「100万年の幸せ!!」の歌詞を見てみると2つのキーワードが気になりました。
一つは
「手を伸ばせば明日(あした)があるさ」。
実はさくらももこ先生と桑田佳祐さんには大きな共通点があります。
それは「がん」を患っていたこと。
桑田佳祐さんは2010年に食道がんを患っていることを公表しています。
さくら先生も2007年から始まった4コマ漫画連載中にはご自身が乳がんを患っていることをご存知でした。
そういう観点から、この部分は桑田さんにエールを送っているようにも感じ取れますね。
もう一つは
「振り返れば日本(ふるさと)が見える」。
これは2012年に「100万年の幸せ!!」が発表される前年、2011年の東日本大震災を思い浮かばせます。
この後に続く詞が
「新しい夜明けは何処(いずこ)」
です。
東日本大震災は原発の関係もあり、復興に手間取っていました。
そんな状況がこの歌詞に表れているように思われます。
この曲、ある意味でお二人の当時の状況をあらわした曲なのかもしれませんね。
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