弟・井上拓真選手が30日のWBC世界バンタム級暫定王座決定戦で暫定王者となり、WBSS準決勝がさらに注目を集めている井上尚弥選手。
その井上尚弥選手が自身の強さの秘密についてインタビューに答えています。
井上選手が考える強さの秘密、最大の武器とは何でしょうか?
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【独占】井上尚弥インタビューvol.1 強さの秘密は達人級の集中力!?「人は3分間集中できない」https://t.co/nBRLA31nso
— THE ANSWER (@theanswerc2) 2019年1月2日
注目されるケタ外れのパンチ力
井上尚弥と聞けば、「パンチ力」と答える人は多くいます。
例えばWBO世界フェザー級の実力者ジェネシス・セルバニアは
「ナオヤ・イノウエはスーパーパンチャーだ。ストライカーだよ。彼はバンタム級だ。だが、彼の一撃はまるでライト級のようなんだ。」
(https://the-ans.jp/news/46128/2/より引用)
とバンダム級から数えて4階級上のライト級だといいます。
また、大会のプロモーターであるザワーランド兄弟は
「彼は惑星ナンバーワンのハードパンチャーです」(カレ・ザワーランド氏)
「彼に楯突いたらいけない。本格的にヤバイことになる」(ニース・ザワーランド氏)
と彼のパンチ力を評価しています。
そして、年末には米ボクシング専門誌「リング」の2018年の「ノックアウト・オブ・ザ・イヤー」に選出されました。
疑いようのないハードパンチャーなのですが、井上選手から見ると最大の武器はそうではないようです。
「バンタム級で自分よりパンチ力ある選手はいっぱいいますし、スピードのある選手もいます」
井上選手はインタビューの中でこんなことを言っています。
「そもそもバンタム級で自分よりパンチ力ある選手はいっぱいいますし、スピードのある選手もいます。」
(https://the-ans.jp/column/47862/2/より引用)
「70秒KO」を実践しているボクサーとは思えない謙虚な言動ですね。
そして、こう続けています。
「いくらパンチやスピードがあっても、結局はそれをどう生かすかじゃないですか。ミット打ちとがうまいとか、腕っぷしの強い人はいっぱいいますよ。それを動いている相手に当てる、タイミングを合わせて当てるのが難しいわけです」
(https://the-ans.jp/column/47862/2/より引用)
確かにどんなに強力なパンチでも、
「当たらなければどうということはない!」
です。
ガードの上からパンチを叩きつけても、威力は半減してしまいます。
より効率的に相手を倒すためには、撃ったパンチの威力をどれだけしっかり相手の身体に反映させるかが重要になっているというわけですね。
井上選手はその辺りをどのようにしているのでしょうか?
井上選手が最近身に着けたものとは?
井上選手はここ最近で身に着けたものがあるといいます。
それは「勘」と「集中力」。
では、その「勘」と「集中力」を試合中のどんなところで使っているのでしょうか?
まず、集中力は
「相手の集中力が途切れた瞬間、目とか、呼吸とか、一瞬の間ですね。人は3分間も絶対に集中できませんから。」
(https://the-ans.jp/column/47862/より引用)
と相手のかすかな動きに対して働かせているようです。
これがどんな効果を合わらすのでしょうか?
「息を吐く瞬間というか、たぶん相手が反応できないだろうなというタイミングがあるんです。いま(打ちに)いってもカウンターは来ないだろなという間。自分の中でですけど、それはなんか雰囲気で。それが合っているか間違っているかはいってみないと分からないんですけど。」
(https://the-ans.jp/column/47862/より引用)
反応出来ないタイミングを見つけ出すために集中力をフル稼働させているわけですね。
しかし、ただタイミングを見てるだけでは相手のフェイントによる誘いかもしれません。
そこで次に登場するのが「勘」です。
相手の反応できない瞬間を瞬時に見分ける、というよりも嗅ぎ分ける。
ここで井上選手はキャリアと勘は違うと話しています。
「キャリア…いや、勘ですね。キャリアを積んでもできない人はできないですから。もう戦う本能というか」
(https://the-ans.jp/column/47862/2/より引用)
実際に目や呼吸など1部分ずつを見て違いだけを判断することはそんなに難しいことではないと思います。
しかし、相手の状態をしっかりと見切るためにはすべての動作(目や口の動きや形、呼吸、身体の脱力感など)に目を配り、一つ一つの動作を個別ではなく、全体像として捉える必要があります。
一つ一つの動作がある状態を表していても、全体像で見ると違和感があるときは、「真偽」でいえば
「偽」
です。
日常的なものでいえば「作り笑い」が判り易いのではないでしょうか。
口元は柔らかく、目じりに向かって口角が上がっていても、眼差しが柔らかくなかったり、目じりが若干でも垂れていないときは「作り笑い」だと気づくでしょう。
試合中の井上選手は相手の表情だけでなく、呼吸による胸の動きや肩や足の向きなどにも気を配ってフェイントなどを見抜きます。
つまり、相手の膨大な「動作の情報」を拾いつつ、自分の身体も動かしながら分析などの処理しているわけです。
この「動作の情報」を拾ってくることと同時に自身の身体も一定量の動作を維持させるのが集中力。
そして、拾ってきた動作の情報を分析するのが「勘」といったところでしょうか。
井上選手がキャリアと勘を別々に考えているのは、キャリアは拾った情報を一つ一つ経験と照らし合わせて判断するのに対して、「勘」はおそらく本当に重要な要素だけを照らし合わせて判断しているからだと予想します。
よく
「勘でやったら当たった」
という人がいますが、その的中率が高い人は気が付かないうちに経験の中でも余分な情報を照らし合わせず、重要な要素だけを照会して素早く判断しているのだろうと思われます。
井上選手が
「キャリアを積んでもできない人はできないですから。」
(https://the-ans.jp/column/47862/2/より引用)
と言ったのは重要な要素だけを照会することがキャリアとは別のセンスとなっているからでしょう。
しかし、井上選手はこうも続けています。
「まだそれが100%どの選手にもできるわけじゃないですし。それがパヤノ戦はたまたまはまったというだけで」
(https://the-ans.jp/column/47862/2/より引用)
そして、
「そもそもバンタム級で自分よりパンチ力ある選手はいっぱいいますし、スピードのある選手もいます。いくらパンチやスピードがあっても、結局はそれをどう生かすかじゃないですか。ミット打ちとがうまいとか、腕っぷしの強い人はいっぱいいますよ。それを動いている相手に当てる、タイミングを合わせて当てるのが難しいわけです」
(https://the-ans.jp/column/47862/2/より引用)
傍からは「力でねじ伏せている」ように見えても、実際にはもっと目に留まり難い、緻密な部分が大きな効果をもたらしているということらしいです。
井上選手のヤバいところは、派手なパンチやスピードといった目でとらえられるところではなく、目だけではとらえられない思考面を使いこなしているところでしょうか。
まとめ
井上尚弥選手が自身の強さの秘密についてインタビューに答えました。
井上選手が考える強さの秘密、最大の武器は「勘」と「集中力」。
しかし、この最大の武器に対して井上選手はまだ100%開花した実感はないようです。
次の試合はWBSS準決勝。
対戦相手はエマヌエル・ロドリゲス選手(プエルトリコ)。
実質的な決勝戦といわれているこのカード。
井上選手の「勘」と「集中力」はその冴えを100%に近い形で発揮させることができるでしょうか?
準決勝当日が待ち遠しいですね。
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