ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級1回戦で負傷棄権したWBAスーパー王者ライアン・バーネット(英国)選手。
まさかの棄権に試合終了後、対戦者の5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)選手がトレーナー陣をかき分けてバーネット選手に駆け寄ったことは記憶に新しいですね。
そのバーネット選手の棄権した原因がWBSSプロモーターを務めるカレ・ザワーランド氏から発表されました。
棄権の原因は「腰椎すべり症」。
一体どのようなことが原因で発生するものなのでしょうか。
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棄権のバーネット、悲劇招いた驚きの理由とは? WBSS代表が激白「1日も早い回復を」https://t.co/5QJJzLiH53
— THE ANSWER (@theanswerc2) 2018年11月8日
腰椎すべり症とは
腰椎すべり症には「腰椎変性すべり症」と「脊椎分離症・すべり症」の2種類があるそうです。
「腰椎変性すべり症」は
腰の骨(腰椎)が前後にずれてしまう疾患で、中年以降の女性に好発し、第4番目と5番目の腰椎の間によく認められます。
原因は明らかではありませんが、多くは加齢とともに腰椎の椎間板や関節・靭帯がゆるみ、すべった腰椎が不安定性(ぐらつき)をともなって脊柱管(神経の通り道)が狭窄し神経を圧迫して、腰痛や下肢痛、しびれが生じます。
(http://www.kameda.com/pr/spine/post_27.htmlより引用)
ということで女性に多い病気のようです。
もう一つの「脊椎分離症・すべり症」は
脊椎の関節突起間部といわれる部位で本来つながっているべき骨の連続性が絶たれてしまっている(分離している)疾患です。
主に5番目の腰椎(腰の骨)に生じ、スポーツを行う学童期に多く発症することから原因は腰にかかる繰り返しの外力による疲労骨折と考えられていますが、一部遺伝も関与していると考えられています。
本疾患の主な症状は腰痛ですが、運動時には腰痛があっても普段はあまり症状がないこともあり、放置される例も少なくありません。
しかし、早期にコルセットの装着やギプス固定などの適切な治療を行うことで骨折した部分の癒合が期待できます。
したがって、お子さんに運動時の腰痛が生じた場合は早期に脊椎脊髄外科専門医を受診することが大切です。
分離症が放置された場合、隣り合った脊椎との間の安定性が損なわれてしまうため加齢とともに骨と骨との位置関係にずれが生じることがあります。
この状態を脊椎分離すべり症と言います。すべりがひどくなると下肢の痛みやしびれが出現することもあり、時に手術が必要となることもあります。
適切な治療が行われれば、治療後の経過は比較的良好です。
(http://www.kameda.com/pr/spine/post_27.htmlより引用)
なのだそうです。
バーネット選手の場合、情報が少なすぎて、どちらのすべり症かよくわかっていないのが気がかりですね。
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治療法は?
腰椎すべり症の治療はまず保存的療法を用いるのだそうです。
保存的療法の内容は
1.「安静、生活習慣の改善」
2.コルセットなどの「装具」による治療
3.非ステロイド系抗炎症薬、に筋弛緩薬、湿布材などの「内服・外用薬」による治療
4.温熱療法などの「物理療法」
5.局所麻酔薬や抗炎症薬を使用する「神経ブロック療法」
をさし、手術などは保存的療法の効果がなかった時に実施するのが原則なのだそうです。
ただし、例外的に重大な神経麻痺などが生じてきた場合は緊急に手術を行うこともあるそうですよ。
バーネット選手はリングから離れる際、担架で運ばれて酸素吸引しながら病院に向かったそうです。
まだ、手術をしたという情報は入っていませんが、少し心配ですよね。
まとめ
「まさか」の幕切れとなった「WBAスーパー王者ライアン・バーネット(英国)VS 5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)」戦。
棄権したバーネット選手をリングの上で襲ったのはドネア選手の猛攻ではなく、自身の「腰椎すべり症」でした。
現在バーネット選手は試合会場のグラスゴーから故郷のベルファストに移送されて入院中とのことです。
カレ・ザワーランド氏によるとバーネット選手の体調さえ整えば、リザーブ選手として待機要請をしているそうです。
今大会に関しては再度リングに上がる可能性は極めて低いでしょうが、何よりも早く元気になってもらいたいものですね。
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