ついに来てしまった最終回。
あっという間の全10話でしたね。
ネット上では、茅野さくら(永野芽郁)黒幕説など様々な予想で話題をさらっていた3年A組。
柊一颯(菅田将暉)を狙撃したのは誰なのか?
9話の最後に茅野さくらが
「殺したの、澪奈を。私が澪奈を殺したの」
と生徒全員の前で告白した真相は?
予告で見せた柊がだれかに向かって叫んでいるシーンの相手は?
景山澪奈の死の真相は?
柊一颯はどんな最期を遂げるのか?
そして、柊一颯は10日間の授業にある仕掛けをしていました。
その仕掛けとは?
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ご視聴ありがとうございました👨🏫🌸#菅田将暉 #永野芽郁#3A pic.twitter.com/qLfxKPJTbn
— 【公式】3年A組-今から皆さんは、人質です- (@3A10_ntv) 2019年3月10日
最終話あらすじ
まずは公式サイトで掲載されたあらすじを確認してみましょう。
一颯(菅田将暉)が、郡司(椎名桔平)を人質に取り、マシンガンを突き付けて校舎の屋上に現れた。世間の人々はこの一颯の凶行に注目する。とある街角、とある店の中、とある家で、この事件の行く末を見届けようとする。そして、翌朝の8時にマインドボイスのライブ中継にて全ての真相を話す……と語った瞬間、一颯の胸に銃弾が突き刺さる。
果たして、この物語の最後に待ち受ける本当の衝撃的展開とは――。
本作が目掛け続けたこと、伝えたいこと、その全てが詰まった最終回。
一颯が、一颯を取り巻く人物たちが、立ち向かおうとした相手は誰か――。彼が「変わってくれ」と願ったその意味とは何か――。
これまでの謎がすべて解き明かされ、そして一つの「目的」に集約されていく。
3年A組が迎える運命の10日目。是非皆さんご一緒に見届けていただければ。
(https://www.ntv.co.jp/3A10/story/より引用)
最後の最後まで気を抜かせないこのドラマ。
良く時間拡大版にせず、まとめたものだと思います。
脚本の武藤将吾先生おそるべし!です。
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最も成長していたのは”甲斐隼人”だった!
ここからはネタバレです。
謎のままになっている部分を書きだしましたね。
まずは、ここをはっきりさせておきましょう。
茅野さくらの
「殺したの、澪奈を。私が澪奈を殺したの」
という告白。
これは
景山澪奈の死の真相
と直結していて、ビルの屋上から景山澪奈が飛び降りようとしたところを茅野さくらは景山澪奈の手を掴んで止めています。
しかし、結果として二人の手は離れてしまい、景山澪奈は亡くなってしまいました。
茅野さくらの
「殺したの、澪奈を。私が澪奈を殺したの」
という告白は自分から手を放してしまったという茅野さくらの後悔の念からくる思い込みによって発せられたものです。
そして、柊の最後の授業の狙いの1つは茅野さくらが自分自身にかけたこの呪縛から解き放つことだったようです。
最後の授業ではもう一つやっておかなければならないことが柊にはあります。
それは柊が事件を起こした最大の目的としたことであり、景山澪奈を自殺に追い込んだ原因となるものでした。
“SNSによる言葉の暴力を世に知らしめる”
これが柊が生徒を人質にとって立てこもった最大の理由でした。
景山澪奈(上白石萌歌)は繰り返されるSNSでの誹謗中傷によって幻覚や幻聴に襲われていたのです。
自殺はその幻覚や幻聴から解放される景山澪奈にとって唯一の方法となっていました。
柊が予告で叫ぶようにけなしていた相手はSNS”Mind Voice”のユーザーだったわけです。
“Mind Voice”のユーザーに思い(郡司刑事はこれを”祈り”と呼んでいました)をぶつけた柊は最後の仕事に取り掛かります。
教室から屋上に上がってきた茅野さくらを確認すると“眼鏡を外して”屋上の縁に立って身を投げます。
間一髪で柊の手を掴む茅野さくらに柊は
景山澪奈と同じセリフ
を茅野さくらに投げかけます。
景山澪奈との記憶がフラッシュバックして、あの時言えなかった胸の内を柊に向ける茅野さくら。
2人をつなぐ手が離れかけようとした瞬間、もう一本の手が柊の手を掴みました。
その手の主は甲斐隼人(片寄涼太)。
続々と屋上に上がってきた生徒たちによって、柊は再び屋上に引き上げられます。
柊は落ちていた眼鏡を拾ってかけると茅野さくらに問いかけます。
「お前は本当に景山の手を放したのか?」
澪奈に生きてほしかったという思いを再確認する茅野さくら。
宇佐美香帆(川栄李奈)の
「もしかして、さくらの心を救うために・・・?」
という問いかけに
「眼鏡を外したら、信じるな・・・」
と返すのは甲斐隼人。
「死ぬつもりじゃなかった、ってことか」
と少しニヤリと笑いながら柊を見る瀬戸雄大(望月 歩)。
それを笑みで返して
「死ぬのは、怖いな」
と空を見ながらつぶやく柊。
あの状況では誰も気が付かないであろう第6話で出てきた
「信じろ、信じるなゲーム」
それをただ一人、冷静に見ることが出来ていた甲斐隼人はこの10日間での一番の成長株だったかもしれません。
それと同時に柊を一番信じているのも甲斐隼人なのかもしれません。
ちょっと残念だったのは郡司刑事と柊の関係。
この二人、事件以外では本当に接点がなかったようですね。
柊一颯は凄腕のカウンセラー?
唐突ですが、
「サイコドラマ」
という言葉をご存知ですか?
「サイコドラマ」というのは心理療法の1つです。
「3年A組」ではこのサイコドラマの技法を利用して、柊は授業をしていたようですね。
このサイコドラマを利用した授業が柊の
“最大にして最後の仕掛け”
だったように感じます。
まずはサイコドラマの概要を説明しますね。
サイコドラマ(心理劇)とは、
演劇の枠組みと技法を用いた心理療法
です。
創始者は精神科医のヤコブ・モレノ(1889-1974)と心理療法士で妻のザーカ・モレノ(1917-2016)。
サイコドラマの目的は
対象者(クライアント)がその場で実演することにより、自身の生活について見つめ直すことで評価する機会を得て、生活における特定の状況をより深く理解すること
です。
まずはグループを作り、そのグループの一人が主人公になって、舞台上で演じられる特定の状況に焦点をあてます。
題材は何でもよいようですが、「3年A組」の場合は
「過去における特定の出来事や未完成の状況」
が題材となっていますね。
その回でフューチャーされた生徒たちは
現実に似通った状況か、内なる心理的過程
が具体化されていました。
(特に最終回はその色が強いです。)
グループの他のメンバー(「3年A組」では他の生徒たち)は脇役となり、その場面において主人公となった生徒をサポートしていましたね。
モレノは
個人が状況に対して創造的に反応するための最善の方法は自発性、すなわち即興で作り、瞬間へ反応することであると考えた。自発的に反応し衝動に基づいた創造的な方法で、個人が問題に立ち向かうよう励ますことによって、彼らは彼らの生活の中で、問題に対する新たな解決策を発見し、彼らがその中で生活できるような役割を身につけられるようになる。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/サイコドラマより引用)
と考えていました。
これがサイコドラマの中核となる「自発性・創造性」の理論です。
3年A組でフューチャーされた生徒たちは皆、問題に対する新たな解決策を発見してましたね。
因みに、サイコドラマではいきなり深いドラマに入り込むことは難しいため、体操やダンスやおしゃべりなどのウォーミングアップをしてからセッションに入ることもあるそうです。
そういう意味では
“朝礼体操”
がウォーミングアップの代わりになっていたのでしょうか。
ウォーミングアップとしてはちょっと難易度が高い気もしますけどね。
実際のサイコドラマはもっと綿密ですし、説教もありません。
しかし、この10日間の授業は柊が生徒たちに仕掛けた
サイコドラマという心理療法
だったような気がしますね。
まとめ
とうとう最終回を迎えてしまった「3年A組」。
最終回の最後で柊は「病死」であることも判りました。
余命1年と宣告されていたにもかかわらず、事件解決後からもう1年病気と闘い続けたそうです。
生徒たちにとっては
“リアルヒーロー”
として生涯を終えたみたいですね。
人気の出たドラマには映画化がついて回りますが、この「3年A組」に関しては映画化はないと思います。
しかし、もしかしたら柊の想いを継いだ生徒の一人でまた1本ドラマが作られるかもしれませんね。
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